リコリス・リコイル 第9話『What’s done is done』感想
リコリス・リコイル第9話視聴しました。もう胸が痛い…。
※画像は全てリコリス・リコイル第9話より引用しています。※
■あらすじ
千束の人工心臓が狙われた。バッテリーの充電ができなくなったことで、千束は余命を宣告される。替えのない人工心臓の手がかりを追うクルミは、ミカに当時のことを尋ねる。一方、DAは大規模な真島の討伐作戦を控え、千束を本部へと呼び出すのだった。
(リコリス・リコイル 公式HP/Storyより引用)
■感想
今回のサブタイトルは「What’s done is done」
訳は「済んだことは済んだこと」。
日本のことわざ「覆水盆に返らず」と解釈できるそうですが、千束の振る舞いを見ると前者の方が合うなあと感じます。後者だと後ろ向きな感じがしちゃうんですよね。
シンジの狙いは千束の人工心臓に高電圧による負荷で充電できなくする事でした。これによって千束の寿命は充電が切れるであろう2ヶ月後…だと…?
なんで事考えやがるんだこの外道…!!
後、地味に姫蒲さん身のこなしが只者じゃなかったな…。
千束の寿命が判明してからのたきながとにかく痛々しくて見てられない。
喫茶店ではまともに目を合わせられず、外の仕事も千束を気遣う余りミスを連発、却って千束に負担をかけている(と本人は思っている)ところとか…。
千束は千束で、たきなを迷わせてしまっている現状に、表面的には平常運転でもクルマて絡んできたアホどもに銃をぶっ放したり。
また、呼び出された楠木には、たきながDAに戻れるようお願いしたり。千束がいなくなったら喫茶リコリコが、たきなの居場所が無くなってしまう事を懸念してのお願いだったと思うんです。
そんなお互いを思う二人を見てるともう、ね…。
そんな中、クルミが促して千束の過去がミカの口から語られます。クルミさん、外からの落ち着いた視点で冷静です。メンバーの中で精神年齢が一番高いのも頷けます。
つうかミカ、お前自虐行為で浸ってんじゃねえよ!と正座させて小一時間説教した上でぶん殴りたい。
千束が10年前からファーストであった事(フキはまだサードでもない訓練生?倒れた千束に一番に駆け寄ってましたね…やっぱりいい子だ)、先天性の心疾患で長くは生きられないであろう事。
恐らくDA教官として千束の才能を惜しんでアラン機関に援助を要請したのでしょうかね。
そしてシンジがやってきてアラン機関の技術の結晶である人工心臓を与えられたということでした。
しかし、ここでシンジは後々の誤算の原因を作る行動をしてしまいます。
一つは、ミカと千束をDA教官としてではなく親として千束を見守る約束をした事。ミカは千束に親としての情を持ってしまい、千束の人を助けたいという願いを助ける事になってしまった。
もう一つは千束と接触してしまい、自らを救世主と名乗ってしまったこと。
特に後者は、千束が自分を助けてくれたように、自分も誰かにとって救世主になりたい、助けてあげたいという、決定的なすれ違いを生む事になります。
人を殺すための道具であるはずの銃を、人を助けるために使う。
すれ違いによってシンジと千束、矛盾した願いを託されたその銃は、平和のためとは言え人を殺すリコリスでありながら人を助ける千束をそのまま表しているようです。
クルミはこの話を聞いてシンジと真島が繋がっている事を確信し、たきなはDAに戻る決心をします。
自分の居場所としてあれだけ求めたDAでしたが、今は自分の大切な相棒、居場所を守るためにDAに戻る決意をしたたきなは本当に変わりましたね…。
そして、DAに戻る前日。たきなは千束を連れ出し、思い出の場所を巡ります。
遊びに不慣れなたきなが一生懸命にスケジュールを進めていく中で、繰り返されるアラームが二人の時間のタイムリミットが迫っていくように聞こえて、微笑ましい絵面なのにこっちの涙腺は崩壊寸前です。
そしてたどり着いた秘密の場所。
千束に連れて行ってもらった場所ではなく、たきなが自分で考えて選んだその場所で、二人は最後の時間を過ごします。
たきなの計画では降るはずだった雪。
この先もずっと二人でいられると思っていたのに、突然訪れた千束の寿命というタイムリミット。
思うようにいかない、理不尽な事だらけだと問いかけるたきなに千束は答えます。
『自分でどうにもならない事で悩んでもしょうがない。
受け入れて、全力。
大体それで良いことが起こるんだ。』
小さな頃から心疾患を患い、思わず得た人工心臓によって得た、それまでの人生より長いボーナスタイム。
だからこそその時その時を大事に、全力で生きてきた千束の言葉に、たきなはきっと勇気をもらったと思います。
千束はこれまで通り、その時まで全力てま生きようとしている。
そしてたきなには、まだやれることがある。
そして、二人が別の道を歩むが如く別れたところに雪が降る。千束が言った事を証明するかのように。
街頭に照らされて黄金色にも見える雪の中、たきなは振り返って千束と向き合い、微笑を残して別れます。
もう、これ、来週最終回ですかね??てゆうくらいもう…言葉にならないんですが、泣いていいですか?(泣いてる)
恐らくリコリス・リコイル史上一番胸に刺さる花の塔が流れた後にCパート。
車中でミカからのコールに応えないシンジ。
その前に行手を阻み、待ち伏せしていた真島が姿を現します。
意味深にアタッシュケースを大事そうに運んだシンジと向き合う真島。
『初めまして。吉さん』
というところで次回に続く!!
なんだコレ!体感3分じゃねえか!
嘘だろ?また1週間待たされるなんて…ッ!
これまでしっかり千束とたきなを描いてきてくれたので今回の話は凄く心にくる回でした。
あー、しかし濃密な時間でしたね。
過去回想、普通なら丸々1話使ってもおかしくないのにスパッと語り切り、しかし物足りなさは全く感じない。
リコリコの凄まじいところはこの構成力とそれを完璧に活かし切るテンポの良さですね。
この製作陣で映画作ったら凄い物が出来そうだな…。
気になったところとか次回への役に立たない予想とかは別の機会にまとめようかな。
とりあえずCパートのアタッシュケース、アレ新しい心臓ですよね?あれ用意してても千束が素直に受け取ると思っているんでしょうかね…?
まずは9話まで見返しつつ、次回を待ちましょうかね。
ではでは。